法規制と罰則情報

特定商取引法

特定商取引法とは、通信販売や訪問販売等、消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止するとともに、消費者の利益を守るための法律です。

通信販売規制を受ける広告

広告媒体は問わず。新聞、雑誌等の掲載広告、カタログ等のダイレクトメール、テレビ放映、折込みちらし、インターネット上のホームページ 、インターネット・オークションサイト、パソコン通信、電子メール等において表示される広告も含まれます。

通信販売に関する規制の概要

【2009年12月1日 施行】 通信販売の規制が強化されました。

改正1 返品特約とその表示に関する規制が強化されました!

《改正の背景》

これまでの特定商取引法でも、通信販売では返品特約について、広告に明記することが義務付けられていました。
(特定商取引法 第11条)
しかし実際には、返品の可否が不明といった理由から、トラブルも多く発生していました。
そこで、返品トラブルを防止するため、「商品」または「指定権利」について、返品特約とその表示方法について規制が強化されました。

※返品特約とは「返品の可否や返品の条件」のことです。
※なお、役務については、返品という概念がないため規制対象外です。

《改正ポイント》

●返品に関する事項の中で、「返品の可否」・「返品の条件」・「返品に係る送料負担の有無」について、広告表示の省略は認められない。

 ※それ以外の返品特約事項については省略可能。
(改正特定商取引法施行規則 第10条)

 【改正前】
 返品特約事項の表示については、消費者からの求めに応じて、「遅滞なく」提示できるような措置を講じている
 場合は、表示の省略が認められていた。

●返品の可否・条件・送料の負担等を広告に表示していない場合、8日間、送料購入者負担で返品(契約解除)が可能となる。
(改正特定商取引法 第11条、第15条の2)

 【改正前】
 返品特約についての記載が一切なく、購入者が返品可能と信じていたような場合、「販売事業者はその購入者
 からの返品の要請に適切に応ずるべき」という指針のみで、明確な規定はなく法的拘束力もなかった。

●ネット通販では、広告画面に加えて、「最終申込み画面」にも、返品特約を表示する必要あり。「最終申込み画面」で返品特約を表示しない場合、特約は有効とならない。
(改正特定商取引法施行規則 第16条の2)

 【改正前】
 「最終申込み画面」への返品特約事項の表示についての規定なし。

●返品特約は、購入者にとって、容易に認識できる方法で表示させる必要あり。
(改正特定商取引法施行規則 第9条)

 ※購入者に容易に認識してもらうためのポイント

 ・返品特約の表示サイズおよび表示箇所に配慮する。
 ・返品特約とそれ以外の事項は、はっきり区別して表示する。
 ・「返品の可否」・「返品の条件」・「返品に係る送料負担の有無」については他の返品特約事項と比べて、
  より明瞭な方法で表示する。
 ・「ご利用ガイド」など、全ての商品に適用される共通ルールを表示したページを活用する(注)

 注: 返品規約は、広告中で商品ごとにその全てを表示することが原則だが、情報量が非常に多くなり、
 却って分かりづらくなる場合があるため、ネット通販では、「ご利用ガイド」など、全ての商品に適用される
 共通のルールについて表示したページを設置することも認められている。

改正2 指定商品・指定役務制の廃止されました

《改正の背景》
これまでの特定商取引法では、通信販売等(通信販売、訪問販売、電話勧誘販売)に関する規定は、政令で定める指定商品、指定役務、指定権利だけが規制対象でした。
(特定商取引法第2条)
しかし、商品や役務の多様化、提供方法の複雑化により、適切に規制を図ることが難しくなり、一方では、悪質業者による規制対象外商品等での消費者被害も発生していました。
そこで、社会情勢に合せた適切な規制を行うため、指定商品・指定役務制が廃止されました。

《改正ポイント》

消費者被害を未然に防止するため、指定商品・指定役務制を廃止し、原則として全商品・全役務が規制対象となりました。指定権利は現行のままです。

但し、金融商品を規制する金融商品取引法など、別法で消費者の利益を保護することができる等と認められる商品等については、適用除外となります。

※全面的に適用除外となる商品等(一部紹介)

・金融取引に関するもの:有価証券の売買、預貯金業務、保険の引受など
・通信・放送に関するもの:電話、インターネット接続サービス、ケーブルテレビ、衛星放送など

●広告の表示(11条)
通信販売は、隔地者間の取引なので、取引トラブルの発生を防ぐため広告への記載事項を定めています。 販売価格、代金の支払い時期、方法、事業者の氏名(名称)、住所、電話番号などの項目があります。

●誇大広告等の禁止(12条)
表示事項等について、「著しく事実に相違する表示」や「実際のものより著しく優良であり、もしくは有利であると人を誤認させるような表示」の禁止しています。

●合理的な根拠を示す資料の提出(12条の2)
法12条(誇大広告等の禁止)違反のおそれのある広告をした販売業者は、期間を定めて、当該広告に表示された内容の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出が求められる。販売業者等が資料を提出しないときは、当該広告は第12条の規定に違反する広告とみなされます。

●承諾をしていない者に対する電子メール広告の提供の禁止等(12条の3)
①承諾を得ていない電子メール広告の提供の禁止(オプトイン規制)
消費者が電子メール広告の受信を事前に請求・承諾しない限り、電子メール広告の送信を原則として禁止しています。 ※
※規制の例外
・契約の内容や履行に関する事項等(契約の成立や商品の発送等)を通知する電子メールに付随して広告を行う場合。
・消費者からの請求や承諾を得て送信する電子メールの一部に広告を掲載する場合
・フリーメール等に付随する広告メール
② 電子メール広告の送信を拒否する方法の表示義務と、電子メール広告の送信を拒否 した消費者への送信禁止。
請求・承諾を得た後でも、消費者が拒絶の意思を表示した場合は、その後の電子メール広告の送信は禁止されています。このため、送信する電子メール広告には、電子メール広告の送信を拒否する意思を表示するための情報(メールアドレスやURL等)の表示が必要です。
③消費者の電子メール広告に対する請求・承諾記録の保存義務
 電子メール広告を送ることの請求や承諾を得た記録を作成し、電子メール広告を最後に送った日から3年間保存することの義務づけています。

●顧客の意に反して契約の申し込みをさせようとする行為の禁止(14条)
インターネット通信販売においては、以下のことを禁止しています。
①あるボタンをクリックすれば、それが有料の申し込みとなることを、消費者が容易に認識できるように表示していないこと
②申し込みをする際、消費者が申し込み内容を容易に確認し、かつ、訂正できるように措置していないこと
③電子メール広告の提供を受けない旨の意思を表示するための方法を、容易に認識できるように表示していないこと

違反に対する措置

●報告及び立入検査の実施(66条1項)
主務大臣・都道府県は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、販売業者等に対し報告若しくは帳簿、書類その他の物件の提出を命じ、又は販売業者等の店舗その他の事業所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査することがあります。

●業務改善指示(14条)・業務停止命令(15条)
以下の違反行為をした者は、主務大臣・都道府県知事の業務改善指示又は業務停止命令の行政処分を受けます。
①広告内容に関する一定の表示義務又は誇大広告等の禁止に違反した場合
②請求や承諾をしていない消費者に電子メール広告を送信した場合
③電子メール広告の提供を拒否した消費者に電子メール広告を送信した場合
④電子メール広告送信の請求や承諾の記録を作成・保存しなかった場合や、虚偽の記録を作成・保存した場合
⑤上記の②又は③の場合に、その送信した電子メール広告において表示すべき事項を表示してない場合や、その広告中に誇大広告をした場合
⑥顧客の意に反して、契約の申し込みや電子メール広告の提供の請求・承諾をさせようとする行為

●適格消費者団体からの差止請求(58条の5)
販売業者又は役務提供事業者が、著しい虚偽、誇大広告を現に行い又は行うおそれがあるときには、適格消費団体(58 条の4 第1 項)から、それらの行為の差止又は予防に必要な措置を取ることを請求されます。

罰則

●誇大広告等の禁止(12条)に違反した場合
100 万円以下の罰金(72 条第3 号)。違反が法人の業務の場合には、行為者を罰するほか、その法人に対し100 万円以下の罰金。(74 条第2 号)。

●オプトイン規制等(12条の3)に違反した場合
以下の違反行為をした者は、 100万円以下の罰金(72 条第4号、5号)。違反が法人の業務の場合には、行為者を罰するほか、その法人に対し100 万円以下の罰金(第74 条第2 号)。
①請求や承諾をしていない消費者に電子メール広告を送信した場合
②電子メール広告の提供を拒否した消費者に電子メール広告を送信した場合
③請求や承諾の記録を作成・保存しなかった場合や、虚偽の記録を作成・保存した場合
*上記の①又は②の場合に、その送信した電子メール広告において表示すべき事項(11条、12条の3 4項)を表示してない場合や、その広告中に誇大広告(12条)をした場合は、1年以下の懲役又は200万円以下の罰金、又はこれらを併科(72条2項)。違反が法人の業務の場合には、行為者を罰するほか、その法人に対し200 万円以下の罰金(74 条第2 号)。

●業務改善指示(14条)に違反した場合
100 万円以下の罰金(第72条 1項2 号)。指示違反が法人の業務の場合には、行為者を罰するほか、その法人に対し100 万円以下の罰金(74 条第2項)。

●業務停止命令(15条)に違反した場合
2 年以下の懲役又は300 万円以下の罰金、又はこれらを併科(70 条の2 )。命令違反が法人の業務の場合には、行為者を罰するほか、その法人に対し3 億円以下の罰金(74 条第1 号)。

●報告及び立入検査(66条1項)に対する罰則
66条1項の規定に従わない者には、100万円以下の罰金(第72条1項10号)。違反が法人の業務の場合には、行為者を罰するほか、その法人に対し100 万円以下の罰金(第74 条第2 号)。

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