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伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2019年12月25日(水) 14:00~14:13 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室)

発言要旨

一つ目でございますが、第4期消費者基本計画(案)のパブコメの開始についてです。
2020年度から5か年にわたる政府の消費者政策の大綱となる第4期消費者基本計画の原案について、本日からパブリックコメントの募集を開始し、来年1月23日まで意見を受け付けることとしました。
基本計画の原案におきましては、消費者や社会情勢の変化等の現状を踏まえ、従来から実施しております、厳格な法執行等による消費者被害の防止に係る取組に加えまして、
(1)食品ロスの削減など、持続可能な消費社会の実現に向けた消費者と事業者との協働の促進
(2)デジタル化の進展による電子商取引の拡大等の新しい課題の対応の推進といった新たな取組を掲げております。
今後は、消費者委員会やパブリックコメントにおける御意見等を踏まえまして、必要な修正を行った上で、今年度中に閣議決定できるよう作業を進めてまいります。
次に、「エシカル甲子園2019」の開催についてです。
12月27日(金)に徳島県において「エシカル甲子園2019」を開催し、私も出席いたします。エシカル甲子園は、エシカル消費の推進や実践を行う高校生等に、日頃の取組の成果や今後の展望等について発表いただく場として、消費者庁、徳島県、徳島県教育委員会の共催で初めて開催するものです。全国70の高校等から応募があり、12校に絞られまして、その方々に発表を行ってもらい、特に優れたものには内閣府特命担当大臣賞等を授与し、大臣賞については代理として私から表彰を行うこととしております。
詳細は、消費者庁ウェブサイトを御覧いただきたいと思います。
エシカル消費は、新たな時代にふさわしい未来志向の取組です。消費者庁としても、若い人たちへの訴求も含めて、引き続き普及に取り組んでまいりたいと考えております。

質疑応答

ウェルネスニュースグループの木村です。
先週、国民生活センターの方で定期購入トラブルの3度目の注意喚起が出されまして、今年度に入って前年度比で2.3倍に激増しているということですが、この発表内容についての受け止めをお願いします。

国民生活センターも、我々もそうかもしれませんが、定期購入そのものが悪いわけではないのですけれども、初めに初回のみとか、お試しとかいう言葉に誘われ、結果的に実は継続的購入だったというような例が結構見られます。それについては非常に問題だと思っておりまして、本当に問題のあるものにつきましては、法と証拠に基づいて厳格に対応させていただきたいと思っております。
また、消費者についても、これが本当にどういう意味でお試しと言われているのかとか、そういったことについてきちんと御確認いただきたいと思っているところであります。

改めてお伺いしますが、消費者庁としてこの問題を解決するためにできる取組というのは、法執行のみでしょうか。

もちろん法執行と、先程申し上げた注意喚起、それから抜本的にはそもそも制度的な取組がもっと必要ではないかという議論も当然あろうかと思います。それは具体的に今何をと考えているわけではございませんけれども、引き続き検討していきたいと思っております。

NHKの秋山です。
食品表示の関係で、来年度から変わるものですとか、今年度でいわゆる猶予期間が終わってしまうものがあるかと思いますが、なかなか業界の対応で全て対応し切れていないという声も聞かれるのですけれども、消費者庁としては猶予期間が終わる残り3か月の間、どのような呼びかけをしていきたいとお考えですか。

食品表示法に基づく新たな食品表示制度への完全移行のお話だと思いますが、これは4月1日に完全移行します。2015年の4月に施行されて、加工食品及び添加物について栄養成分表示等の義務化をするといった内容だと思います。
今のところ業界の方には継続的に取組を促しているので、具体的にこのスケジュールではとても大変だとか、そういった議論があるとは聞いておりませんが、年明け、また業界団体等を通じまして、また周知徹底もしていきたいと思います。

関連しまして、先日、食品表示のアレルゲンなどに関してのパブコメもされているかと思うのですけれども、先程あった第4期の基本計画も含めて、そのパブコメに対して消費者の方々に積極的に参加していただきたいですとか、消費者行政に対して意識を持っていただきたいとか、何かそういった長官の思いなどありましたら伺えますでしょうか。

食品表示のパブコメの話は、12月19日付けの、食品表示法に基づいて、事業者が食品の安全性に関する表示の誤りに係る自主回収をした際の届出事項等を定める内閣府令案のお話ということでよろしいですかね。
平成30年12月に食品表示法が改正されて、アレルゲン、消費期限等、食品の安全性に関する表示の誤りに係る食品について自主回収をした食品関連事業者に対して、その情報を行政機関へ届け出ることを義務づけたということでございます。
今般、自主回収をした事業者が行政機関に届出する事項、これは基本的に生命にかかわるものについては義務づけをして、それ以外の場合は別に届出を要しないとしているわけでございますが、その具体的な中身、どういったものが対象になるかということについて内閣府令を改正する必要がありますので、その案について意見募集をしたという内容であります。
これ自体は、今のような仕切りのところで整理をさせていただくということなので、できるだけ紛れがない格好でやる必要はあると思いますので、気になるところがあれば御意見を賜りたいと思います。
消費者の方々にお願いしたいのは、むしろ消費者基本計画の話でありまして、消費者基本方針、これは5年間を見通して書いた上で、ほかは毎年ローリングをさせていただくという格好になっておりますが、今度のパブコメさせていただいている内容というのは、ローリングのものではなくて第4期のはじまりということで、枠組みも少し整理をさせていただいて、出させていただいているものです。
頭の整理といたしましては、消費者自体、生活者自体が、高齢化ですとか、あるいは成年年齢の引下げ、訪日外国人などといった消費者の多様化、あるいは脆弱化している中で、社会自体もデジタル化だとか、国際化だとか、新しい課題がどんどん出てきていると。そうした中で、引き続き厳格にやっていかなくてはいけない法執行を始めとする消費者被害の防止の問題と併せて、今後を見据えた上でやっていく食品の問題ですとか、それからそのデジタル化対応、あるいは事業者と協働で行う問題、様々なことを書かせていただいておりますが、今後の一つの礎となるものだと思っております。それを法律だとか、財政、それから情報開示、人材育成という格好で支える。こういう全体を見通すものになっておりますので、気になる点、今後これが大事ではないかということについて、幅広く御意見をいただければと思っております。

朝日新聞の兼田と申します。
ジャパンライフ問題に絡みまして、先週ですが、ちょうど債権者集会がございまして、その後、弁護団の連絡会が記者会見をされました。その場で事実解明などを求める声明というのを出されまして、消費者庁に関連する部分ですと、元課長補佐級職員の天下りに関連して、当時2014年、9月と10月に行政指導にとどめた経緯、あるいは翌年9月に立入調査をしたにもかかわらず、行政処分までなお1年3か月を要した、こういった点について明確に説明すべきだと声明で書かれています。これについて、受け止めを教えてください。

国会等々の場においても繰り返し御説明はしているつもりではありますけれども、基本的には当然こういう被害の防止をする観点では、できるだけ早い法執行が望まれるというのは御指摘のとおりだと思っております。
具体のことについては、その当時の状況を踏まえた上で一生懸命やったと私としては理解してはおりますけれども、今後のことについてはできるだけ迅速に対応ができるように努力をしたいと思います。
また、その関連で、消費者庁の職員であった人が再就職をしたということに関しては、非常に残念なことだと思っております。
消費者庁に在職をしていた者の再就職は、受け止める側の人からするといろいろな捉え方をすることがあると想定されますので、職員も自覚を持って対応してもらう必要はあると思っております。周知徹底を含め、きちんと対応したいと思っております。

天下りした職員も含めまして、いわゆる顧問料を受け取った人については、顧問料を返還してくれということを破産管財人はお願いしているようです。
今のところ返還した人はいないということなのですが、消費者庁として例えば元課長補佐に対して返還するように働き掛けをするとか、そういったお考えは現時点でございますか。

それは私どもの方から、コメントするべきものではないと思います。

コメントすることがないというのは、どういう意味でしょうか。もう職を離れているからということでしょうか。

そうですね。私どもの方が返すべきとか、返すべきではないとか、言う立場にはないと思っております。

毎日新聞の岡です。
消費者契約法の検討会が始まりましたけれども、今の時点で見直しについて、長官のお考えを伺えましたらと思います。

消費者契約法の検討会自体は、既に法的なところを整理させていただいて、報告書がまとまっておりまして、それについて意見をいただいた段階にあります。
その上で、実務的な観点、それは法的な観点からの前回は議論でしたので、今度は実務的な観点からどうかということで、実務者を入れた格好で再度そういう目で整理をするということをやらせていただいております。
これは既に12月のデジタル・プラットフォーマーに関する検討会を始めておりまして、それとも関連をさせながら、必要なことについて整理をさせていただきたいと思っております。
今の段階でこれをと、私の方で言う段階にはまだございませんが、夏頃をめどに第一段目としての整理をしたいと思っております。